Japanese
English
特集 血管炎・血行障害
難治性両側下腿潰瘍を呈した抗リン脂質抗体症候群の男性患者の1例
Chronic Lower Leg Ulcers Associated with Antiphospholipid Syndrome
太田 真由美
1
,
井波 真矢子
1
,
矢野 優美子
1
,
松尾 陽香
1
,
出月 健夫
1
,
五十嵐 敦之
1
Mayumi OTA
1
,
Maiko INAMI
1
,
Yumiko YANO
1
,
Haruka MATSUO
1
,
Takeo IDEZUKI
1
,
Atsuyuki IGARASHI
1
1NTT東日本関東病院,皮膚科(主任:五十嵐敦之部長)
キーワード:
原発性抗リン脂質抗体症候群
,
難治性下腿潰瘍
,
脳梗塞
,
ループスアンチコアグラント
,
抗血栓療法
Keyword:
原発性抗リン脂質抗体症候群
,
難治性下腿潰瘍
,
脳梗塞
,
ループスアンチコアグラント
,
抗血栓療法
pp.1683-1687
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001019
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62歳,男性。59歳時に一過性脳虚血発作,60歳時に小脳梗塞の既往がある。抗血小板薬,抗凝固薬内服中である。1年3カ月前から両側下腿に小潰瘍が生じ,徐々に増大・融合し,疼痛と足先の冷感が増強した。抗菌薬点滴・高圧酸素療法に効果なく,当科を紹介受診した。血清学的にループスアンチコアグラント陽性,抗核抗体陰性であった。潰瘍部の病理組織所見で,真皮深層の中動脈にフィブリン様物質の沈着を伴う肥厚や再疎通を伴う血栓がみられた。血管炎は認めなかった。臨床経過,組織所見,臨床検査所見から原発性抗リン脂質抗体症候群と診断した。プロスタグランジン点滴とプレドニゾロン内服で軽快した。難治性下腿潰瘍をみた際には,抗リン脂質抗体症候群も鑑別する必要があると考えた。
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