Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
背部に生じた無色素性基底細胞癌の1例
Non-pigmented Basal Cell Carcinoma on the Back
市川 有里
1
,
安念 節晃
1
,
琴 基天
1
,
森田 孝
1
,
佐伯 秀久
2
,
神田 奈緒子
1
Yuri ICHIKAWA
1
,
Setsuaki ANNEN
1
,
Mototaka KOTO
1
,
Takashi MORITA
1
,
Hidehisa SAEKI
2
,
Naoko KANDA
1
1日本医科大学千葉北総病院,皮膚科(主任:神田奈緒子教授)
2日本医科大学付属病院,皮膚科
キーワード:
無色素性基底細胞癌
,
ダーモスコピー
,
樹枝状血管
,
潰瘍化
Keyword:
無色素性基底細胞癌
,
ダーモスコピー
,
樹枝状血管
,
潰瘍化
pp.427-430
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001883
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70歳,男性。初診の十数年前から背部に皮膚結節を自覚,徐々に増大し,中央に潰瘍を伴うようになった。淡紅色,弾性硬,中央に潰瘍を伴う15mm大のドーム状皮膚結節があり,ダーモスコピーでは樹枝状血管と潰瘍化,一部に青黒色斑がみられた。病理組織像では,真皮に毛芽細胞様細胞が結節状あるいは索状に増殖し,腫瘍胞巣の辺縁で核の柵状配列,腫瘍胞巣と間質の間に裂隙の形成があり,基底細胞癌と診断した。自験例は日本人の無色素性基底細胞癌としてはまれな躯幹の発症であり,診断に苦慮した。無色素性基底細胞癌のダーモスコピー像では高頻度に樹枝状血管や潰瘍化がみられ,注意深い観察により色素性所見がみられることもあり,診断に有用である。
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