Japanese
English
症例
被髪頭部に生じた基底細胞癌の1例
-—当科における基底細胞癌の統計的観察—
Basal cell carcinoma on the scalp
安念 節晃
1
,
東 直行
1
,
池田 真帆
1
,
安斎 眞一
2
,
佐伯 秀久
3
Setsuaki ANNEN
1
,
Naoyuki HIGASHI
1
,
Maho IKEDA
1
,
Shinichi ANSAI
2
,
Hidehisa SAEKI
3
1日本医科大学多摩永山病院,皮膚科
2日本医科大学武蔵小杉病院,皮膚科,教授
3日本医科大学付属病院,皮膚科,教授
キーワード:
基底細胞癌
,
被髪頭部
,
統計的観察
Keyword:
基底細胞癌
,
被髪頭部
,
統計的観察
pp.1693-1696
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002896
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77歳,女性。被髪頭部の黒色結節を主訴に紹介受診した。全摘出し基底細胞癌と診断した。基底細胞癌は顔面に好発するが,被髪頭部は比較的まれである。本邦の被髪頭部の基底細胞癌発生部位は側頭部が多かった。自験例も含めた当科10年半における基底細胞癌152例について統計的に観察した。被髪頭部の基底細胞癌症例7例の平均年齢は74.3歳であった。7例中5例が女性で,発生部位は側頭部が3例と最多であり,過半数で径20mmを超えていた。多くの例で受診までの期間は1年以上と発見までに時間がかかっていた。女性に多い理由については,被髪頭部は毛髪影響で発見されにくく,緩徐に増大することなどが考えられ,また,髪染めやパーマなど機械的な刺激を受ける機会が多いことが考えられる。
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