Japanese
English
症例報告
偽リンパ腫様外観を呈した右鼻翼部無色素性基底細胞癌の1例
A case of non-pigmented basal cell carcinoma on the nose mimicking pseudolymphoma
根岸(小澤) 亜津佐
1
,
鷲崎 久美子
1
,
高田 裕子
1
,
中村 元泰
1
,
関東 裕美
1
,
林 健
2
,
岩渕 千雅子
3
,
石河 晃
1
Azusa NEGISHI-OZAWA
1
,
Kumiko WASHIZAKI
1
,
Yuko TAKADA
1
,
Motoyasu NAKAMURA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Ken HAYASHI
2
,
Chikako IWABUCHI
3
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2東京労災病院皮膚科
3日産厚生会玉川病院皮膚科
1Department of Dermatology (Omori), School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Tokyo Rosai Hospital, Tokyo, Japan
3Division of Dermatology, Nissan Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
無色素性基底細胞癌
,
偽リンパ腫
,
ダーモスコピー
,
樹枝状血管
Keyword:
無色素性基底細胞癌
,
偽リンパ腫
,
ダーモスコピー
,
樹枝状血管
pp.208-212
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204348
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要約 77歳,男性.2000年頃に右鼻翼部に紅色結節が出現し,徐々に増大した.当科受診時右鼻翼部に1cm大の弾性硬で境界明瞭な類円形の紅色結節を認めた.臨床像から偽リンパ腫を考えたが,ダーモスコピーで白色網状斑,樹枝状血管,黒色小点を認め,基底細胞癌を鑑別として考えた.皮膚生検で病理組織像より充実型基底細胞癌と確定診断した.拡大切除後は再発なく,経過観察中である.自験例は病理組織像から無色素性基底細胞癌と確定診断したが,臨床像は偽リンパ腫様を呈し,ダーモスコピー所見も樹枝状血管以外に基底細胞癌に特徴的所見を認めなかった.当院で過去に経験した鼻翼に生じた偽リンパ腫2例と比較した結果,1例で毛細血管拡張と樹枝状血管を認め自験例と酷似した所見を呈していた.無色素性基底細胞癌の診断には,ダーモスコピーで樹枝状血管の確認が有用だが,偽リンパ腫でも認めることがあり注意を要する.診断には病理組織学的検索が必須である.
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