Japanese
English
症例
表皮の個細胞壊死が著明であったドセタキセルによるToxic Erythema of Chemotherapyの1例
Toxic Erythema of Chemotherapy Caused by Docetaxel with Prominent Apoptotic Cells in the Epidermis
森野 幸
1
,
松岡 摩耶
1
,
門野 岳史
1
,
川上 民裕
1
,
相馬 良直
1
Saki MORINO
1
,
Maya MATSUOKA
1
,
Takafumi KADONO
1
,
Tamihiro KAWAKAMI
1
,
Yoshinao SOMA
1
1聖マリアンナ医科大学,皮膚科学教室(主任:門野岳史教授)
キーワード:
toxic erythema of chemotherapy
,
ドセタキセル
,
薬疹
,
個細胞壊死
Keyword:
toxic erythema of chemotherapy
,
ドセタキセル
,
薬疹
,
個細胞壊死
pp.1905-1908
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001085
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47歳,女性。3カ月前よりドセタキセルによる乳癌術後化学療法を開始した。初回投与1週後に右手関節に淡い紅斑が出現し,以降も投与ごとに顔面や膝蓋,上腕に疼痛と瘙痒を伴い色素沈着を混じる辺縁不整な紅褐色斑の出現と消退を繰り返した。病理組織では表皮内および角層内に多数の個細胞壊死や異型細胞,核分裂像を認めた。また,表皮基底層に液状変性に加えて再生上皮がみられ,真皮浅層のリンパ球浸潤を伴ったことより,ドセタキセルによるtoxic erythema of chemotherapyと診断した。自験例では,ドセタキセルによる中毒性の皮膚障害と,その後の表皮再生という経時的変化が組織学的にともに表現されている点が特徴的であると考えた。
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