Japanese
English
症例
動脈血流入部を圧迫することで軽快した,先天性多発動静脈瘻に伴う難治性下腿潰瘍
Compression of an Arteriovenous Fistula Improved Wound Healing of a Stasis Leg Ulcer Associated with Congenital Arteriovenous Fistulas
高橋 道央
1
,
角 希里子
1
,
天野 真希
1
,
加藤 恒平
1
,
沢田 泰之
1
Michihisa TAKAHASHI
1
,
Kiriko SUMI
1
,
Maki AMANO
1
,
Kohei KATO
1
,
Yasuyuki SAWADA
1
1東京都立墨東病院,皮膚科(主任:沢田泰之部長)
キーワード:
動静脈瘻
,
下腿潰瘍
,
静脈不全
Keyword:
動静脈瘻
,
下腿潰瘍
,
静脈不全
pp.1384-1388
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000923
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
55歳,男性。34歳時より下腿に難治性潰瘍を繰り返した。他院で計8回の静脈瘤手術を施行され,そのたびに潰瘍は一時的に軽快したが再発を繰り返した。3カ月前から右下腿末梢に難治性潰瘍が出現した。超音波検査とCTでの血管造影を行い,動静脈瘻による潰瘍と診断した。弾性包帯による圧迫と下肢挙上を行ったが難治であった。しかし動脈血流入部の圧迫を加えたところ,動静脈瘻からの流入血が著明に減少し,下腿潰瘍は軽快傾向となった。動静脈瘻に伴う下腿潰瘍は通常の静脈逆流による潰瘍と臨床像が似ており,診断や治療に注意を要する。動静脈瘻流入部を包帯を使用して圧迫する方法は,侵襲の少ない方法で診断と治療効果判定を行うことができる有用な治療法と考えた。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.