Japanese
English
症例報告
繰り返す腹痛と腸管浮腫を伴ったアドレナリン性蕁麻疹の1例
A case of adrenergic urticaria with repetitive abdominal pain and intestinal edema
山本 亜美
1
,
角 希里子
1
,
山崎 まりな
1
,
天野 真希
1
,
高橋 道央
1
,
竹下 八菜
1
,
加藤 恒平
1
,
沢田 泰之
1
Ami YAMAMOTO
1
,
Kiriko SUMI
1
,
Marina YAMAZAKI
1
,
Maki AMANO
1
,
Michihisa TAKAHASHI
1
,
Hana TAKESHITA
1
,
Kohei KATOH
1
,
Yasuyuki SAWADA
1
1都立墨東病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Bokutoh Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
アドレナリン性蕁麻疹
,
腹痛
,
βブロッカー
,
コリン性蕁麻疹
Keyword:
アドレナリン性蕁麻疹
,
腹痛
,
βブロッカー
,
コリン性蕁麻疹
pp.117-122
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205633
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要約 18歳,男性.初診1か月程前から,受験勉強をストレスに感じはじめ,四肢に小さい膨疹が出現するようになった.また,朝に増悪する傾向のある腹痛を伴い,通学困難となった.四肢に白暈を伴う数mm大の膨疹が散在していた.運動負荷試験,アセチルコリン皮内注射では皮疹は誘発されず,ノルアドレナリン皮内注射にて皮疹の再現を認めた.特徴的な皮疹と検査結果より,アドレナリン性蕁麻疹と診断した.また腹痛時に撮影したCTにて腸管浮腫を認め,アドレナリン性蕁麻疹に伴う腸管浮腫が腹痛の原因と考えられた.βブロッカー内服により,皮疹,腹痛ともに軽快した.アドレナリン性蕁麻疹は稀な疾患とされるが,コリン性蕁麻疹と診断されている可能性がある.周囲に白暈を伴う特徴的な膨疹を認める場合は,アドレナリン性蕁麻疹の可能性を検討する必要があると考えられる.
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