Japanese
English
特集 血管炎・血行障害
血栓性静脈炎,深部静脈血栓症の治療中に子宮頸癌が見つかりTrousseau症候群と考えた1例
Trousseau Syndrome Associated with Cervical Cancer Found During the Treatment of the Deep Vein Thrombosis and Thrombophlebitis
山本 亜美
1
,
角 希里子
1
,
山崎 まりな
1
,
天野 真希
1
,
高橋 道央
1
,
竹下 八菜
1
,
加藤 恒平
1
,
沢田 泰之
1
Ami YAMAMOTO
1
,
Kiriko SUMI
1
,
Marina YAMAZAKI
1
,
Maki AMANO
1
,
Michihisa TAKAHASHI
1
,
Hana TAKESHITA
1
,
Kohei KATOH
1
,
Yasuyuki SAWADA
1
1東京都立墨東病院,皮膚科(主任:沢田泰之部長)
キーワード:
Trousseau症候群
,
悪性腫瘍
,
血栓性静脈炎
,
直接経口抗凝固薬
Keyword:
Trousseau症候群
,
悪性腫瘍
,
血栓性静脈炎
,
直接経口抗凝固薬
pp.473-477
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001302
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81歳,女性。右下腿静脈瘤と同部位の疼痛を主訴に当科を受診した。下肢超音波検査にて,表在静脈から穿通枝,右下腿ヒラメ筋静脈まで連続性に血栓を形成していた。血液検査にてDダイマー14.8μg/mlと高値であったが,血栓傾向を示すその他の異常所見はなかった。エドキサバントシル酸塩内服により1カ月でDダイマーは陰性化し,半年で超音波上も改善したが,不正性器出血より子宮頸癌が見つかり,血栓からの一連の病態を一元的にTrousseau症候群と診断した。Trousseau症候群とは潜在性の悪性腫瘍の影響により凝固亢進状態をきたし,血栓症を生じた病態で,その半分程度が表在性血栓性静脈炎をおこすとされる。原因不明の血栓性静脈炎では,悪性腫瘍検索をする必要がある。
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