Japanese
English
症例
多くの合併症を有する免疫不全患者に発症した皮膚ムコール症の1例
Skin Mucormycosis in a Compromised Patient Associated with a Number of Complications
藤本 裕子
1
,
斉藤 まり
1
,
妹尾 明美
1
,
長谷川 陽一
2
,
矢口 貴志
3
Yuko FUJIMOTO
1
,
Mari SAITO
1
,
Akemi SENOO
1
,
Yoichi HASEGAWA
2
,
Takashi YAGUCHI
3
1三豊総合病院,皮膚科(主任:妹尾明美主任部長)
2同,腎臓内科
3千葉大学真菌医学研究センター
キーワード:
皮膚ムコール症
,
壊死性潰瘍
,
有痛性紅斑
,
免疫不全患者
Keyword:
皮膚ムコール症
,
壊死性潰瘍
,
有痛性紅斑
,
免疫不全患者
pp.715-718
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000735
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58歳,男性。咽頭癌術後,アルコール性肝硬変,2型糖尿病,末期腎不全,骨髄異形成症候群と複数の基礎疾患を有する免疫不全患者で,感染症を繰り返していた。4カ月前より化膿性手関節炎のため整形外科に入院,経過中透析導入となった。その後,右前腕創外固定抜去部に紫斑・疼痛が出現し,壊死性潰瘍が数日間で急速に拡大した。細菌培養で糸状菌,真菌培養でRhizopus sp.を検出し,組織学的に菌体を認め皮膚ムコール症と診断した。外科的切除は困難で,抗真菌薬を投与するも全身状態は急速に悪化し,発症15日後に死亡した。ムコール症は生前診断が困難であるといわれている。自験例は前腕の拡大する紫斑を呈した典型例であり,診断し得ても救命が困難であると再認識した。
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