Japanese
English
症例報告
下腿に生じた皮膚ムコール症の1例
A case of mucormycosis on the lower leg
田尻 真貴子
1
,
永田 貴久
1
,
三宅 大我
1
,
中村 権一
2
,
小林 美和
3
,
中村 元信
3
Makiko TAJIRI
1
,
Takahisa NAGATA
1
,
Taiga MIYAKE
1
,
Kennichi NAKAMURA
2
,
Miwa KOBAYASHI
3
,
Motonobu NAKAMURA
3
1飯塚病院皮膚科
2飯塚病院総合診療科
3産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Iizuka Hospital, Iizuka, Japan
2Division of General Medicine, Iizuka Hospital, Iizuka, Japan
3Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
皮膚ムコール症
,
接合菌症
,
Mucorales
,
Zygomycosis
Keyword:
皮膚ムコール症
,
接合菌症
,
Mucorales
,
Zygomycosis
pp.545-549
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104055
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要約 65歳,男性.1年半前より,左下腿に紅色丘疹が出現し,拡大し,難治であった.初診時,左下腿に,辺縁の一部に結節を有する硬い浸潤を伴う紅斑を認めた.病理組織ではHE染色でmixed cell granulomaを認め,PAS染色で幅が広く細胞壁の薄い,隔壁のない菌糸を確認した.また,2回行った組織培養では綿毛状のコロニーを生じ,スライドカルチャーの所見を合わせてムコール症と診断した.局所切除およびアンホテリシンの投与を行い,現在まで再発は認めていない.また脳・肺・消化管病変もない.rRNA遺伝子検査にてRhizomucor variabilisと同定された.本菌はムコール症の起炎菌として稀である.遺伝子診断学的にはMucor属に類似しており,熱に弱いという特徴があることから病巣の浸潤・播種を起こしにくく,局所感染にとどまったと考えた.
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