Japanese
English
症例報告
Corynebacterium speciesによると思われる皮下膿瘍の1例
A case of subcutaneous abscess caused by Corynebacterium species
森本 亜里
1
,
平井 郁子
1
,
藤田 浩之
2
,
高江 雄二郎
1
Ari MORIMOTO
1
,
Ikuko HIRAI
1
,
Hiroyuki FUJITA
2
,
Yujiro TAKAE
1
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院血液内科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Hematology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
Corynebacterium species
,
皮下膿瘍
,
免疫不全患者
,
多剤耐性
Keyword:
Corynebacterium species
,
皮下膿瘍
,
免疫不全患者
,
多剤耐性
pp.332-336
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204381
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要約 68歳,女性.急性骨髄性白血病に対して当院血液内科で地固め療法を施行されていた.化学療法による骨髄抑制中に突然発熱とともに右大腿に圧痛を伴う皮下硬結が出現した.同時期の胸部CTで肺野に多発結節影を認めた.皮膚生検組織像では真皮〜皮下組織にかけて膿瘍の所見を認め,明らかな菌体は認めなかった.血液,皮膚穿刺液培養でCorynebacterium speciesを検出し,同菌に起因する菌血症で皮膚病変と肺病変を生じていると考えた.薬剤感受性試験で多剤耐性を示し,感受性を示したリネゾリド開始後に速やかに解熱し,右大腿の硬結は軟化し排膿した.その後皮膚・肺病変はともに縮小し,残存する皮下硬結を切除した.術後再燃はなく,肺病変はCTで瘢痕を認めるのみとなった.Corynebacterium speciesは常在菌であるが免疫不全患者では多剤耐性を示す重篤な感染症をきたす.
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