Japanese
English
特集 真菌症
白血病患者に発症したムコール症の1例
Mucormycosis in a patient with leukemia
中堀 イリス
1
,
西島 千博
1
,
稲沖 真
1
,
三村 優仁
2
,
安澤 数史
3
,
望月 隆
3
Irisu NAKABORI
1
,
Chihiro NISHIJIMA
1
,
Makoto INAOKI
1
,
Yuto MIMURA
2
,
Kazushi ANZAWA
3
,
Takashi MOCHIZUKI
3
1金沢医療センター,皮膚科(主任:稲沖 真部長)
2同,血液内科(主任:吉尾伸之部長)
3金沢医科大学,皮膚科(主任:望月 隆教授)
キーワード:
ムコール症
,
ケカビ目真菌
,
皮膚病変
,
免疫不全
,
Cunninghamella bertholletiae
Keyword:
ムコール症
,
ケカビ目真菌
,
皮膚病変
,
免疫不全
,
Cunninghamella bertholletiae
pp.323-327
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002434
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71歳,男性。急性骨髄性白血病の化学療法開始6日目に発熱性好中球減少症を発症し抗菌薬の投与が開始された。2日後にCTで肺炎像が認められ,頸部と四肢に浸潤性紅斑が生じた。紅斑の生検で真皮や皮下組織に菌糸様の空胞状構造が多数みられムコール症の可能性を考えた。アムホテリシンBの投与が開始されたが,その2日後に呼吸不全により死亡した。死亡後に皮疹の生検標本の特殊染色および真菌培養の結果よりムコール症と診断し,遺伝子検査で菌種をCunninghamella bertholletiaeと同定した。ムコール症は頻度が低い真菌症だが,免疫抑制状態の患者に皮疹がみられた際には念頭に置くべき疾患のひとつである。
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