Japanese
English
症例
右大腿に生じた局在型多発性グロムス腫瘍の1例
Localized Multiple Glomus Tumor on the Right Thigh
中島 杏奈
1
,
磯田 祐士
1
,
鹿毛 勇太
1
,
山口 由衣
1
,
和田 秀文
1
,
相原 道子
1
Anna NAKAJIMA
1
,
Yuji ISODA
1
,
Yuta KAGE
1
,
Yukie YAMAGUCHI
1
,
Hidefumi WADA
1
,
Michiko AIHARA
1
1横浜市立大学,環境免疫病態皮膚科学教室(主任:相原道子教授)
キーワード:
グロムス腫瘍
,
局在型多発性
,
glomangioma
Keyword:
グロムス腫瘍
,
局在型多発性
,
glomangioma
pp.703-706
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000732
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
9歳,女児。生後半年頃から右大腿外側に紫色の皮疹が3カ所出現した。徐々に増大し,軽度の圧痛を伴うようになった。病理組織学的所見では,真皮内に不規則に拡張した血管が増生分布し,拡張した血管腔は1層の血管内皮細胞で裏打ちされ,その周囲に類円形の核と好酸性の明るい細胞質をもつ細胞(グロムス細胞)が取り囲むように2,3層配列していた。免疫組織化学的検索においては,腫瘍細胞はαSMAが陽性,desmin,EMA,S100,CD31は陰性であった。以上の結果から,局在型多発性グロムス腫瘍(glomangioma型)と診断した。本疾患は臨床所見では確定診断に至らないこともあり,病理組織学的検査,免疫組織学的検査が必要と考える。自験例のような小児の場合であっても,正確な診断のためには皮膚生検は可能な限り施行されるべきである。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.