Japanese
English
症例報告
右肘部に生じたグロムス腫瘍の1例
A case of glomus tumor on the right elbow
木村(齋藤) 真衣
1
,
山内 健二
2
,
三宅 亜矢子
1
Mai KIMURA(SAITO)
1
,
Kenji YAMAUCHI
2
,
Ayako MIYAKE
1
1稲城市立病院皮膚科
2稲城市立病院整形外科
1Division of Dermatology, Inagi Municipal Hospital, Inagi, Japan
2Division of Orthopedics, Inagi Municipal Hospital, Inagi, Japan
キーワード:
グロムス腫瘍
,
肘部
,
単発型
,
glomangioma
Keyword:
グロムス腫瘍
,
肘部
,
単発型
,
glomangioma
pp.879-883
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206490
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要約 41歳,男性.初診5年前より右肘部に疼痛が出現した.近医で肘部管症候群と診断され,当院整形外科を紹介受診し,単純MRIで右肘部皮下に囊胞性腫瘤を認めたため当科紹介となった.初診時,右肘部に淡紅色に透見される皮下結節を触れ,強い自発痛を訴えていた.病理組織所見では円形で均一な核を有する細胞と,不規則に拡張した管腔構造で構成される境界明瞭な腫瘍を脂肪織内に認め,グロムス腫瘍と診断した.グロムス腫瘍は単発型と多発型に分類され,単発型は全体の9割を占める.手指爪甲下に好発し,肘部の発生は比較的稀である.一般的に20〜40歳台の女性に多く,組織はglomus tumor properが多いが,肘部単発型グロムス腫瘍の自験例を含む本邦報告24例について検討した結果,男性に多く比較的高齢で,組織はglomangiomaが多く,グロムス腫瘍全体とは異なる特徴を示した.疼痛を伴う腫瘍をみたときには,爪甲下以外であってもグロムス腫瘍も念頭に置くことが必要である.
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