Japanese
English
症例報告
局在型多発性グロムス腫瘍の1例
A case of localized multiple glomus tumor
岸田 大
1
,
中川 浩一
1
,
吉田 康彦
1
,
上原 慎司
1
,
吉田 慶子
2
Masaru KISHIDA
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
,
Yasuhiko YOSHIDA
1
,
Shinji UEHARA
1
,
Keiko YOSHIDA
2
1大阪府済生会富田林病院皮膚科
2浅香山病院皮膚科
1Division of Dermatology,Tondabayashi Hospital,Tondabayashi,Japan
2Asakayama Hospital,Sakai,Japan
キーワード:
グロムス腫瘍
,
局在型多発性
,
glomangioma
Keyword:
グロムス腫瘍
,
局在型多発性
,
glomangioma
pp.787-790
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102713
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要約 30歳,女性.10歳頃に虐待を受けた腰部に,表面上は淡い青色を呈する皮内ないしは皮下の結節が集簇する腫瘍が発生した.腫瘍の出現は虐待を受けた直後からであった.自発痛はなかったが圧痛は認めた.すべての結節を一塊に摘出した.摘出標本の病理組織像では,拡張した血管腔とそれを取り囲む立方形の腫瘍細胞が観察され,免疫組織化学染色でα-SMAが陽性であった.以上の臨床像と病理組織像から,glomangiomaの像を呈した局在型多発性グロムス腫瘍と診断した.臨床型が局在型多発性で組織型がglomangiomaであった点が特異的であった.従来より,この組織像は汎発型多発性の病型に多くみられるとされてきたが,文献を渉猟すると,同様に臨床像と組織型が一致しない症例が散見され,これらの関連性についてはさらなる症例の集積が必要であると考えた.
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