特集 ウイルス感染症 最近の動向
乳癌に対する化学療法の経過中に汎発性帯状疱疹を発症した1例
尾本 百香
1
,
松浦 大輔
,
藤川 一穂
,
高橋 明日香
,
半田 梓
,
落合 豊子
1日本大学医学部附属病院 皮膚科
キーワード:
Aciclovir
,
Ciprofloxacin
,
Immunoglobulins
,
易感染性宿主
,
腫瘍多剤併用療法
,
乳房腫瘍
,
帯状疱疹
,
Filgrastim
,
アジュバント化学療法
,
部分的乳房切除
,
Trastuzumab
,
静脈内注射
,
休薬
,
CE Protocol (Cyclophosphamide-Epirubicin)
Keyword:
Acyclovir
,
Trastuzumab
,
Filgrastim
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Breast Neoplasms
,
Ciprofloxacin
,
Injections, Intravenous
,
Herpes Zoster
,
Immunoglobulins
,
Mastectomy, Segmental
,
Immunocompromised Host
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
CE Protocol II
pp.1627-1630
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077876
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64歳女性。左乳癌に対する術後化学療法としてエピルビシン・シクロホスファミド(EC)療法1回目の施行後、休薬期間中に右肩甲部の帯状疱疹が出現した。皮疹は自然軽快したが、EC療法2回目終了後に小水疱が体幹や四肢に出現した。皮膚科へ受診したところ、蛍光抗体法にて水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原陽性であった。VZVの汎発疹としてアシクロビルの静注を開始したが、水疱は全身に拡大し、発熱が出現した。臨床経過および検査所見より、EC療法による骨髄抑制を伴う汎発性帯状疱疹と診断し、フィルグラスチム、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、シプロキサシンの投与を行ったところ、解熱、皮疹の改善が得られた。上記の治療中止8ヵ月現在、ハーセプチン療法のみで経過観察中である。
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