症例
頭部に生じたWarty Dyskeratomaの1例
吉原 有希
1
,
朝比奈 昭彦
1
,
宇野 優
1
,
伊東 慶悟
1
,
梅澤 慶紀
1
,
中川 秀己
1
1東京慈恵会医科大学,皮膚科学講座(主任:中川秀己教授)
キーワード:
warty dyskeratoma
,
Darier 病
,
ATP2A2遺伝子
,
変異BRAF阻害薬
Keyword:
warty dyskeratoma
,
Darier 病
,
ATP2A2遺伝子
,
変異BRAF阻害薬
pp.1567-1570
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000206
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76歳,男性。頭頂部に生じた,自覚症状のない角栓を有する3mm大の灰白色小結節を主訴に受診。ダーモスコピー所見では,中央が陥凹した,比較的境界明瞭でほぼ均一な白色構造を呈し,流入血管や色調不正は認めなかった。冷凍凝固術を1回施行後も著変なく,切除術を施行した。病理組織は,著明な過角化を伴ったカップ状構造を呈し,表皮には基底細胞様の細胞が絨毛状に増殖し,基底層直上に棘融解による裂隙形成を認めた。臨床所見と病理組織学的所見よりwarty dyskeratomaと診断した。切除後1年経過した現在も再発なく経過している。同様の組織所見を呈するDarier病などの鑑別診断や発症機序,変異BRAF阻害薬の副作用としての報告に関し考察を加えた。
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