Japanese
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特集 膠原病
初発症状が脂肪織炎であった抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の1例
Dermatomyositis with anti-MDA5 antibody presenting with panniculitis as the initial manifestation
澤田 智也
1
,
奥平 尚子
1
,
大橋 理加
1
,
辻岡 馨
1
,
岡本 翔太
2
,
滋野 広
3
Tomoya SAWADA
1
,
Hisako OKUHIRA
1
,
Rika OHASHI
1
,
Kaoru TSUJIOKA
1
,
Shota OKAMOTO
2
,
Hiroshi SHIGENO
3
1日本赤十字社和歌山医療センター,皮膚科(主任:辻岡 馨部長)
2同,リウマチ科
3滋野医院,和歌山市
キーワード:
抗MDA5抗体
,
皮膚筋炎
,
脂肪織炎
,
深在性エリテマトーデス
Keyword:
抗MDA5抗体
,
皮膚筋炎
,
脂肪織炎
,
深在性エリテマトーデス
pp.1179-1182
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004699
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40歳台,女性。8カ月前右大腿に有痛性病変が出現し,4カ月前から両手の発疹を自覚した。初診時,右大腿部に表面は淡紅色を呈し,リベド様変化や鱗屑を伴う皮下硬結を触れ,手掌に鉄棒まめ様丘疹,手背に表面粗造な紅斑や紅色小丘疹がみられた。筋力低下,呼吸器症状,関節痛は訴えなかった。画像検査で肺病変や悪性腫瘍は認めなかった。病理組織像では基底層の液状変性や,脂肪細胞の変性を伴う小葉性脂肪織炎を認めた。抗MDA5抗体陽性であり筋無症候性皮膚筋炎と診断した。全身的治療を行わずに2年経過したが新たな症状は出現せず,抗体価も低下している。小葉性脂肪織炎に遭遇した際には,抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎も鑑別診断の対象にすべきである。
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