症例
卵巣癌が先行した抗TIF1γ/α抗体陽性皮膚筋炎の1例
八木 夏希
1
,
岡本 芳伸
1
,
吉村 紫
1
,
松下 貴史
1
,
濱口 儒人
1
,
竹原 和彦
1
,
藤本 学
2
,
西島 千博
3
,
稲沖 真
3
1金沢大学医薬保健研究域医学系,皮膚分子病態学(主任:竹原和彦教授)
2筑波大学医学医療系,皮膚科,教授
3国立病院機構金沢医療センター,皮膚科
キーワード:
皮膚筋炎
,
悪性腫瘍
,
抗TIF1抗体
Keyword:
皮膚筋炎
,
悪性腫瘍
,
抗TIF1抗体
pp.1439-1443
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000169
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48歳,女性。9カ月前に卵巣癌StageⅢCと診断され外科的に切除された。術後化学療法施行中の3 カ月前から手指・顔面・体幹に瘙痒を伴う紅斑が出現。多発関節痛,近位筋中心の筋力低下,嚥下障害も伴っており皮膚筋炎が疑われ当科を紹介受診した。初診時ヘリオトロープ疹,Gottron丘疹,scratch dermatitisがあり,筋原性酵素も上昇していた。免疫沈降法で抗TIF1γ/α抗体陽性。画像検索で悪性腫瘍の残存なし。以上より卵巣癌が先行した抗TIF1γ/α抗体陽性皮膚筋炎と診断。筋炎症状はプレドニゾロン30mg/日内服で改善したが,卵巣癌の転移とともに皮膚筋炎の症状が再燃。一般的に悪性腫瘍合併皮膚筋炎では両者を同時に認める例が多いが,自験例では悪性腫瘍が先行した。
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