Japanese
English
症例報告
サルコイドーシスを合併した抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎の1例
A case of anti TIF1-γ antibody-positive dermatomyositis associated with sarcoidosis
中村 紗和子
1
,
松田 杏奈
1
,
西岡 和恵
2
,
下村 裕
1
Sawako NAKAMURA
1
,
Anna MATSUDA
1
,
Kazue NISHIOKA
2
,
Yutaka SHIMOMURA
1
1山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
2ジョイ皮ふ科クリニック
1Department of Dermatology, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, Ube, Japan
2Joy Dermatology Clinic, Sanyo-Onoda, Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
サルコイドーシス
,
抗TIF1-γ抗体
Keyword:
皮膚筋炎
,
サルコイドーシス
,
抗TIF1-γ抗体
pp.593-597
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206428
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要約 75歳,女性.2か月前から出現した顔面の紅斑を主訴に近医を受診し,精査を目的に当科を紹介され受診した.初診時,顔面の浮腫性紅斑,関節伸側の角化性紅斑,爪上皮の延長と点状出血,前胸部や上背部の紅斑などを認めたが,明らかな筋症状はなかった.項部の紅斑部からの皮膚生検組織では表皮基底層の変性像と真皮上層のムチン沈着を認め,採血で抗TIF1-γ抗体が陽性だったことより皮膚筋炎と診断した.その後詳細な全身検索を行ったが,内臓悪性腫瘍および間質性肺炎は同定されなかった.造影CT検査で肺門・縦郭リンパ節の腫大を認め,血清ACE,リゾチームとsIL-2Rが高値だった.さらに肺門リンパ節からの生検で類上皮細胞肉芽腫を認めたため,サルコイドーシスと診断した.抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎においては,サルコイドーシスを合併している可能性も考慮し全身検索を行う必要があることが示唆された.
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