Japanese
English
症例報告
肺癌を伴った抗TIF1γ抗体陽性皮膚筋炎の1例
A case of anti TIF1γ antibody-positive dermatomyositis with lung cancer
椎山 理恵
1
,
石橋 正史
1
Rie SHIIYAMA
1
,
Masafumi ISHIBASHI
1
1日本鋼管病院皮膚科
1Division of Dermatology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
抗TIF1γ抗体
,
肺癌
Keyword:
皮膚筋炎
,
抗TIF1γ抗体
,
肺癌
pp.779-784
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205838
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要約 67歳,男性.初診1か月前に顔,手や前胸部に瘙痒を伴う発疹が出現し近医を受診した.自家感作性皮膚炎疑いにてステロイド内服治療が行われたが,皮疹の再燃がみられたため当科を紹介受診となった.初診時,ヘリオトロープ疹,Gottron丘疹,scratch dermatitisがあり,筋原性酵素も上昇していた.全身倦怠感あり,上肢は挙上困難だった.MRI検査で筋炎の存在が示唆され,抗TIF1γ抗体陽性であり,CT検査で左肺門部に肺癌が発見された.以上より抗TIF1γ抗陽性の悪性腫瘍合併皮膚筋炎と診断した.肺癌については本人の精査・加療希望なく経過観察となり,筋症状は安静にて自然軽快傾向がみられた.今回われわれは典型例を経験したが,抗TIF1γ抗体陽性の皮膚筋炎では高率に内臓悪性腫瘍を合併し,皮膚症状は重篤であるのに対し,筋炎や間質性肺炎は比較的軽度であるという特徴を知ることは病態把握や治療方針の決定に有用である.
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