症例
Basedow 病に伴う脛骨前粘液水腫を背景に右下腿蜂窩織炎を3 度発症した1例
水野 真希
1
,
秋山 美知子
1
,
岡部 杏慈
1
,
市山 進
1
,
山瀬 綾
1
,
真弓 暢子
1
,
森本 健介
1
,
幸野 健
1
,
佐伯 秀久
1
1日本医科大学,皮膚科学教室(主任:佐伯秀久教授)
キーワード:
脛骨前粘液水腫
,
Basedow病
,
蜂窩織炎
Keyword:
脛骨前粘液水腫
,
Basedow病
,
蜂窩織炎
pp.1445-1448
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000170
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
41歳,女性。13年前より両下腿の腫脹を自覚。以降,右下腿蜂窩織炎で2 度当科入院歴がある。発熱と下痢,右下腿の腫脹を認め,右下腿蜂窩織炎の診断で緊急入院した。両下腿にnon pitting edemaがあり,精査にてBasedow 病と診断された。皮膚生検の結果は脛骨前粘液水腫であった。抗菌薬投与とステロイド外用・内服で軽快し退院した。退院後,ステロイド内服の継続と弾性包帯着用により臨床症状の悪化や蜂窩織炎の再燃はない。自験例につき,脛骨前粘液水腫を背景にリンパ浮腫を合併し,蜂窩織炎を反復したという病態仮説を立てた。皮膚感染症を反復する粘液水腫の症例に対し,リンパ浮腫の治療法も有効である可能性を考えた。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.