症例
抗セントロメア抗体と抗トポイソメラーゼⅠ抗体が共存した全身性強皮症の1例
中山 未奈子
1
,
簗場 広一
1
,
中川 秀己
1
,
伊藤 晴康
2
,
浮地 太郎
2
,
黒坂 大太郎
2
1NAKAGAWA,東京慈恵会医科大学,皮膚科学講座(主任:中川秀己教授)
2同,内科学講座,リウマチ・膠原病内科
キーワード:
強皮症
,
抗セントロメア抗体
,
抗トポイソメラーゼⅠ抗体
Keyword:
強皮症
,
抗セントロメア抗体
,
抗トポイソメラーゼⅠ抗体
pp.1435-1438
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000168
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77歳,女性。8年前より手指腫脹が出現し,指尖潰瘍が生じたため当科を受診した。初診時,上腕に及ぶ皮膚硬化と指尖潰瘍を認め,びまん皮膚硬化型全身性強皮症と診断した。血清学的には抗セントロメア抗体と抗トポイソメラーゼⅠ抗体がともに陽性であった。経過中,急速に進行する間質性肺疾患とそれに伴う二次性肺高血圧症も合併した。これらの強皮症特異的自己抗体は通常相互に排他的であり,同時に複数の抗体が一人の患者に出現することは極めてまれである。全身性強皮症の予後に関わる合併症として間質性肺疾患があるが,抗セントロメア抗体と抗トポイソメラーゼⅠ抗体が重複陽性の全身性強皮症では,間質性肺疾患が重篤化しやすいという報告もあることから,注意が必要である。
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