症例
シクロスポリン内服中止後に水疱性類天疱瘡が顕在化した尋常性乾癬の1例
荒川 真保
1
,
峠岡 理沙
1
,
辻 正孝
1
,
齊藤 睦美
1
,
益田 浩司
1
,
加藤 則人
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科,皮膚科学教室(主任:加藤則人教授)
キーワード:
BP180
,
BP230
,
尋常性乾癬
,
水疱性類天疱瘡
Keyword:
BP180
,
BP230
,
尋常性乾癬
,
水疱性類天疱瘡
pp.1431-1434
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000167
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69歳,男性。1990年に尋常性乾癬を発症し,近医でシクロスポリン内服治療を受けていたが,2008年12月に皮疹の改善がみられず,当科を初診した。体幹・四肢に鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑局面が多発し,血液検査で肝腎機能障害を認めた。シクロスポリン内服を中止し,ステロイドとビタミンD3外用のみを行ったところ,皮疹は増悪し,上肢に緊満性水疱が出現した。表皮下水疱と水疱内および真皮の好酸球浸潤がみられ,血清抗BP‒180 抗体値の上昇を認めたため,尋常性乾癬に合併した水疱性類天疱瘡と診断した。プレドニゾロン30mg/日の全身投与で軽快傾向を示した。自験例ではシクロスポリンの長期投与により,水疱性類天疱瘡の発症が抑えられていたと考えられた。
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