特集 水疱症アップデート
生後2 カ月で発症した水疱性類天疱瘡
石川 貴裕
1
,
盛山 吉弘
1
,
南風原 明子
2
,
渡部 誠一
2
,
石井 文人
3
,
橋本 隆
4
1土浦協同病院,皮膚科(主任:盛山吉弘部長)
2同,小児科
3久留米大学医学部,皮膚科
4同,皮膚細胞生物学研究所
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
乳児
,
BP180
,
ステロイドパルス
,
免疫グロブリン大量静注療法
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
乳児
,
BP180
,
ステロイドパルス
,
免疫グロブリン大量静注療法
pp.1669-1674
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000233
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2カ月,女児。41週2日3124gで出生。特に誘因なく,生後56日より紅斑が右足底より出現し全身に拡大。体幹から下肢,前腕に環状の紅斑があり,紅斑辺縁に水疱が多発した。ワクチン接種歴なし。真皮内に好酸球浸潤,蛍光抗体直接法でIgG,C3の基底膜への沈着,1M食塩水剝離皮膚を用いた蛍光抗体間接法で表皮側にIgGが反応,血清中の抗BP180抗体陽性であった。プレドニゾロン1mg/kg/日より開始,免疫グロブリン大量静注療法,エリスロマイシン併用も難治で,2度のステロイドパルス療法後軽快した。プレドニゾロンを漸減し,発症236日目に全治療を中止できた。自然治癒する報告も多く,自験例は最終的には治療中止でき,予後良好であった。
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