Japanese
English
症例報告
落葉状天疱瘡の経過中に水疱性類天疱瘡を生じた1例
A case of pemphigus foliaceus coexisted with bullous pemphigoid
中村 聡子
1
,
若林 祐次郎
2
,
浦崎 智恵
1
,
小俣 渡
1
Satoko NAKAMURA
1
,
Yujiro WAKABAYASHI
2
,
Chie URASAKI
1
,
Wataru OMATA
1
1総合病院国保旭中央病院皮膚科
2千葉大学医学部付属病院皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Asahi General Hospital, Asahi, Japan
2Department of Dermatology, Chiba University School of Medicine, Chiba, Japan
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
Dsg1
,
BP180
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
Dsg1
,
BP180
pp.1053-1058
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205901
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要約 87歳,女性.2007年4月,全身に紅斑とびらんが出現し当科を受診した.抗Dsg1抗体陽性,表皮内水疱と蛍光抗体直接法で表皮細胞間へのIgG,表皮基底膜へのC3の沈着を認め,落葉状天疱瘡として矛盾しないと考えた.プレドニゾロン(PSL)20mg/日内服を開始し,2007年10月以降近医で加療を継続され,2011年10月にPSL 3mg/日まで漸減された.2017年8月より体幹,四肢に紅斑とびらん,手指,手掌に紅斑と緊満性水疱が出現した.PSL 30mg/日へ増量されたが改善せず当科に紹介された.ステロイドパルス療法を施行し,一時軽快したが,PSL 50mg/日に減量後,紅斑と水疱が再燃した.抗BP180抗体陽性,表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法の所見は2007年と同様であり,水疱性類天疱瘡の合併と診断した.その後,大量免疫グロブリン療法と免疫抑制剤による追加治療を行い軽快した.抗表皮細胞間抗体,抗基底膜部抗体が併存する症例は稀ではあるが,比較的難治例が多い.
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