Japanese
English
症例報告
熱中症を契機に水疱性類天疱瘡を発症した尋常性乾癬
Bullous pemphigoid on psoriasis vulgaris after heat illness
中野 由美子
1
,
川筋 綾子
1
,
筒井 清広
1
Yumiko NAKANO
1
,
Ayako KAWASUJI
1
,
Kiyohiro TSUTSUI
1
1石川県立中央病院皮膚科
1Division of Dermatology,Ishikawa Prefectural Central Hospital,Kanazawa,Japan
キーワード:
尋常性乾癬
,
熱中症
,
水疱性類天疱瘡
Keyword:
尋常性乾癬
,
熱中症
,
水疱性類天疱瘡
pp.559-562
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102661
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要約 80歳,男性.10年前に尋常性乾癬を発症し,ステロイドおよび活性化ビタミンD3外用,エトレチナート内服,PUVA療法で症状軽快した.以後,エトレチナート10mg/日内服中である.2007年8月に熱中症にて救急搬送され,胸部・大腿に網状の紅斑を認めた.その後,同部に弛緩性水疱,潰瘍が出現し,外用処置で治療中,緊満性水疱が全身に多数出現した.病理組織で表皮下水疱を認め,蛍光抗体間接法で表皮基底膜部にIgGが陽性,ELISA法で抗BP180抗体と抗BP230抗体が陽性で,水疱性類天疱瘡の合併と診断した.シクロスポリン150mg/日内服で水疱新生は一時軽快したが,減量時に再燃した.プレドニゾロン30mg/日内服で水疱新生は治まり,現在10mg/日内服で水疱新生はない.経過中,乾癬の増悪は認めなかった.
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