症例
フェニレフリン塩酸塩含有点眼剤により線状の接触皮膚炎を生じた1例
浦崎 智恵
1
,
中野 倫代
1
,
吉岡 未里
1
,
外川 八英
1
,
松江 弘之
1
1千葉大学大学院医学研究院,皮膚科学教室(主任:松江弘之教授)
キーワード:
フェニレフリン塩酸塩
,
点眼剤
,
散瞳剤
,
接触皮膚炎
,
線状
Keyword:
フェニレフリン塩酸塩
,
点眼剤
,
散瞳剤
,
接触皮膚炎
,
線状
pp.1427-1430
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000166
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81歳,男性。トロピカミド・フェニレフリン点眼液,フェニレフリン塩酸塩点眼液で眼瞼浮腫の既往がある。as isのパッチテストで上記2剤に陽性であったが,眼科医の強い希望で白内障の手術の際にトロピカミド・フェニレフリン点眼液を使用した。術後,右頰部から耳介下部の点眼剤が流れた部位に一致して小水疱を伴う線状の紅斑を認めた。成分パッチテストは,フェニレフリン塩酸塩で陽性であった。フェニレフリン塩酸塩による接触皮膚炎の報告は多いが,眼科手術においては有用な散瞳剤であるため,点眼時にフィルムで保護して皮膚への接触を防ぐ,接触した際はすぐに拭う,ステロイドの予防的外用を行うなどの対策が必要である。
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