Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
2.皮膚疾患の病態
制御性T細胞の機能不全と類天疱瘡抗原に対する自己抗体産生
Autoantibody production to bullous pemphigoid antigens in regulatory T cell dysfunction
村松 憲
1
Ken MURAMATSU
1
1北海道大学病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hokkaido University Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
制御性T細胞
,
IPEX症候群
,
水疱性類天疱瘡
,
COL17
,
BP180
,
BP230
Keyword:
制御性T細胞
,
IPEX症候群
,
水疱性類天疱瘡
,
COL17
,
BP180
,
BP230
pp.32-36
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206009
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
summary
制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)は末梢性免疫寛容を担う主要な細胞であり,その機能不全は様々な自己免疫疾患と関連すると考えられている.最近Tregの機能不全により,類天疱瘡抗原であるCOL17とBP230に対する自己抗体がマウス(Scurfyマウス),ヒト〔immune dysregulation polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked(IPEX)症候群〕のいずれにおいても生じることが示された.また,マウスにおいては自己反応性T細胞がこれら類天疱瘡抗原に対する自己抗体産生を誘導することが示唆された.制御性T細胞を利用した治療も期待されるが,水疱性類天疱瘡においていまだ臨床試験は始まっていない.同じ自己免疫性水疱症である天疱瘡群においてはTregを投与するPhase 1試験が始まり,全身性エリテマトーデスなどの膠原病ではIL-2補充療法の効果が報告され,無作為化比較試験施行が期待されている.今後Tregを利用した水疱性類天疱瘡治療の発展を期待したい.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.