Japanese
English
症例
シクロスポリン長期内服中の尋常性乾癬患者に生じた皮膚Rosai-Dorfman病
Cutaneous Rosai-Dorfman disease in a patient with psoriasis vulgaris treated with long-term cyclosporine therapy
濱田 健吾
1
,
小川 浩平
2
,
畠山 金太
3
,
浅田 秀夫
2
,
岡﨑 愛子
1
Kengo HAMADA
1
,
Kohei OGAWA
2
,
Kinta HATAKEYAMA
3
,
Hideo ASADA
2
,
Aiko OKAZAKI
1
1南奈良総合医療センター,皮膚科(主任:岡﨑愛子部長)
2奈良県立医科大学附属病院,皮膚科(主任:浅田秀夫教授)
3同,病理診断科(主任:大林千穂教授)
キーワード:
皮膚Rosai-Dorfman病
,
emperipolesis
,
尋常性乾癬
,
シクロスポリン
Keyword:
皮膚Rosai-Dorfman病
,
emperipolesis
,
尋常性乾癬
,
シクロスポリン
pp.1719-1722
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002902
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62歳,女性。1975年頃に尋常性乾癬を発症し,シクロスポリンを長期内服していた。初診2カ月前より四肢に浸潤性紅斑や結節が出現してきたため皮膚生検を施行したところ,病理組織学的所見に真皮全層に密な炎症細胞浸潤を認めた。大型の組織球様細胞が浸潤し,リンパ球と形質細胞の浸潤を伴っていた。組織球様細胞の一部でemperipolesisの像を認めた。免疫組織染色で大型の組織球様細胞はS100蛋白およびCD68が陽性,CD1aは陰性であった。全身症状に乏しく,画像検査にてリンパ節や他の臓器病変がみられなかったため,皮膚Rosai-Dorfman病と診断した。皮膚Rosai-Dorfman病は自然消退例も多くみられ予後は良好とされるが,その病因や治療法は未確立である。自験例では,シクロスポリンの長期内服歴が発症に関与している可能性を推測した。
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