網膜硝子体手術による視野障害

近年における低侵襲硝子体手術（micro incision vitrectomy surgery：MIVS）の急速な発展によって，低侵襲かつ良好な術後視機能が得られるようになってきた。それに伴い，術前視機能の比較的良好な症例に対しても手術適応が拡大される傾向にある。しかし，MIVSの恩恵により頻度は低くなったとはいえ，いまだに硝子体手術にはさまざまな合併症がある。それによって術後に視機能障害が生じる可能性があり，より質の高い手術成績が求められる現在においては，術者はさまざまな合併症への予防・対策に注意を払う必要がある。今回は特に網膜硝子体手術によって生じる術後の視野障害に焦点を当てて述べる。