特集 強度近視を治療する
2 強度近視に対する硝子体手術
坂東 肇
1
1大阪労災病院眼科(堺市)
キーワード:
硝子体手術
,
大型黄斑円孔
,
網膜分離症
,
内境界膜剥離
,
黄斑円孔網膜剥離
,
強度近視
Keyword:
硝子体手術
,
大型黄斑円孔
,
網膜分離症
,
内境界膜剥離
,
黄斑円孔網膜剥離
,
強度近視
pp.775-780
発行日 2018年8月5日
Published Date 2018/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000743
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近視化し続ける現代において初期から治療を介入させ近視自体の進行が回避できることが望ましいが,実際には強度近視に至り硝子体の牽引,血管新生,変性といった病的状態に至る患者数は増加の一途を示している。新生血管に起因する病態へは現在抗VEGF(血管内皮増殖因子)剤の投与が第一選択となっており,治療手技としては比較的簡便化しつつある。一方,後眼部の硝子体牽引が主体となる網膜剥離や黄斑円孔においては硝子体手術による外科的治療介入が行われてきた。また,近年黄斑分離症についてもOCTの進歩から解剖学的な病型も整理された1)ことで,硝子体手術での適応が増えつつある(図1)。しかし,通常眼での硝子体手術と比較し,強度近視眼への硝子体手術はその特異性から合併症などさまざまな危険をはらんでいることは周知の事実である。手術に携わる者は強度近視眼が単なる大きな眼ではないことをよく理解したうえでメスを握る必要がある。本稿においては強度近視への網膜硝子体手術に対する基本的な気構えと,個々の病態への治療的アプローチについて主にテクニカルな側面から解説していきたい。
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