眼科手術の適応―最新情報
8.網膜硝子体 11)増殖糖尿病網膜症の硝子体手術
井上 亮
1
,
恵美 和幸
1
1大阪労災病院眼科(堺市)
キーワード:
糖尿病網膜症
,
硝子体手術
,
手術適応
,
硝子体出血
,
牽引性網膜剥離
,
線維血管性増殖膜
Keyword:
糖尿病網膜症
,
硝子体手術
,
手術適応
,
硝子体出血
,
牽引性網膜剥離
,
線維血管性増殖膜
pp.1275-1281
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000174
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糖尿病網膜症は中途失明原因の第1 位といわれていたが,糖尿病に対する内科的な血糖コントロールを中心とする全身管理と眼科的な治療技術の進歩により,失明を回避することが可能になりつつある1)。しかしながら,内科で糖尿病と診断されても,自覚症状がないために眼科を受診しないまま放置する糖尿病患者は多く,網膜症が発見された時は既に重症化しているケースも少なくないのが現状である。厚生労働省糖尿病調査研究班による合併症調査では,国内で50〜60 歳代の糖尿病患者のうち,38.3%(約300 万人)が網膜症を発症し,そのうち年間約3,000 人もの方が失明を招いている1)2)。糖尿病網膜症に対する初期の基本的な治療は以前から今日に至るまで血糖コントロールと網膜光凝固術である3)。しかし,自覚症状が出てからの受診であると,光凝固だけでは対応できないことも多く,その場合は硝子体手術が適応となる。
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