眼科手術の適応―最新情報
8.網膜硝子体 9)強度近視の硝子体手術
山根 真
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1横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科
キーワード:
強度近視
,
近視性牽引黄斑症
,
硝子体手術
,
黄斑分離症
,
黄斑円孔網膜剥離
Keyword:
強度近視
,
近視性牽引黄斑症
,
硝子体手術
,
黄斑分離症
,
黄斑円孔網膜剥離
pp.1263-1267
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000172
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強度近視,病的近視は本邦の主要な失明原因のひとつであり,2005 年の調査では緑内障,糖尿病網膜症,網膜色素変性に次ぐ失明原因第4 位に挙げられている1)。強度近視の定義は確立されていないが,海外では等価球面屈折値が−6 ジオプトリ(diopter:D)を超えるもの,本邦では−8Dを超えるものとされることが多い2)。強度近視はただ単に屈折値による分類であり,最近では眼底病変を生じた強度近視は病的近視と呼ばれている。強度近視眼では主に眼軸長の延長を原因として網脈絡膜萎縮,近視性牽引黄斑症,脈絡膜新生血管などの黄斑病変を生じて視力が低下する。このうち近視性牽引黄斑症が硝子体手術の対象であり,手術的に硝子体や内境界膜による牽引を除去する。
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