特集 第2部 薬物治療の副作用
8 ステロイドの副作用としての中心性漿液性脈絡網膜症と抗アルドステロン薬による治療
松本 文也
1
,
中川 喜博
1
,
鈴木 康之
1
1東海大学医学部付属病院専門診療学系眼科学
キーワード:
MR antagonist
,
薬物治療
,
副作用
,
ステロイド
,
中心性漿液性脈絡網膜症
,
高コルチゾール血症
Keyword:
MR antagonist
,
薬物治療
,
副作用
,
ステロイド
,
中心性漿液性脈絡網膜症
,
高コルチゾール血症
pp.1238-1243
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001392
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中心性漿液性脈絡網膜症(central serous chorioretinopathy:CSC)は,外血液網膜関門である脈絡膜毛細血管の透過性亢進により脈絡膜から網膜下への漿液性成分が漏出する疾患で,30~50歳代男性に好発し視力障害の原因となる。A型性格,凝固異常,ヘリコバクターピロリ感染,心因的ストレス等が関連しているといわれている。クッシング(Cushing)症候群や妊娠などの内因性副腎皮質機能亢進症はCSC発症の危険因子であり,また自己免疫性疾患,臓器移植に伴う副腎皮質ステロイドの長期服用例はステロイド誘発CSCとして知られている。全身のみならず局所療法(外用,吸入,関節注射等)もCSCとの関連が示唆されている。ステロイド誘発CSC患者に対する治療法として,抗アルドステロン薬の有効性に関する報告が散見されることから,本稿で触れていく。
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