特集 第2部 薬物治療の副作用
7 網膜循環障害を生じる薬剤
喜田 照代
1
1大阪医科大学眼科学教室
キーワード:
経口避妊薬
,
インターフェロン
,
抗VEGF療法
,
C型肝炎ウイルス関連網膜症
,
網膜静脈閉塞症
Keyword:
経口避妊薬
,
インターフェロン
,
抗VEGF療法
,
C型肝炎ウイルス関連網膜症
,
網膜静脈閉塞症
pp.1229-1237
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001391
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網膜に影響を及ぼす薬剤としては,クロロキン(クロロキン網膜症:bull’s eye),タモキシフェン(タモキシフェン網膜症:クリスタリン状の黄白色沈着物,嚢胞様黄斑浮腫,網膜出血,黄斑円孔),インターフェロン(インターフェロン網膜症),フィンゴリモド(黄斑浮腫),ジギタリス(錐体機能不全症候群,黄斑浮腫),シスプラチン(網膜色素上皮障害),経口避妊薬(網膜動静脈閉塞症),フェノチアジン系抗精神病薬(網膜色素変性),クロラムフェニコール(網膜症),ゲンタマイシン(網膜出血,軟性白斑,毛細血管の閉塞),ステロイド(網膜色素上皮障害)などが挙げられる1)2)。また,眼科の薬剤としては,加齢黄斑変性,網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫,近視性脈絡膜新生血管,糖尿病黄斑浮腫に用いられる血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬の硝子体内注射が,まれではあるが黄斑虚血や網膜動脈閉塞症,一過性軟性白斑の増加など網膜循環障害を生じる可能性が報告されている3)~5)。抗VEGF療法は既に治療法として確立されており,既述の黄斑疾患に対して主流となっている治療法であるが,注意が必要である。
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