Japanese
English
連載 眼の組織・病理アトラス・168
中心性漿液性脈絡網膜症
Central serous chorioretinopathy
向野 利彦
1
,
猪俣 孟
1
Toshihiko Kohno
1
,
Hajime Inomata
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.1652-1653
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906992
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
中心性漿液性脈絡網膜症central serous chorio-retinopathyは,黄斑網膜の限局性円板状剥離を主徴とする予後良好な疾患である。かつてわが国では増田型中心性網膜炎ともいわれた。原因は明らかではない。30〜50歳台の健康な男性に多く発症し,片眼に軽度の視力低下を自覚する。患眼に比較中心暗点がみられる。
検眼鏡的には,黄斑を含む扁平な円形または横楕円形の網膜剥離を認める(図1)。剥離の境界は比較的明瞭であるが,消退期には不明瞭になる。多くの例で,剥離部には網膜色素上皮細胞の障害部が存在し,そこは不整点状の黄白色を呈する。網膜色素上皮剥離を伴うこともある。硝子体中に細胞浸潤などを認めない。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.