眼科手術の適応―最新情報
8.網膜硝子体 5)中心性漿液性脈絡網膜症に対するレーザー光凝固術と光線力学的療法
松本 英孝
1
1群馬大学大学院医学系研究科 脳神経病態制御学講座 眼科学
キーワード:
中心性漿液性脈絡網膜症
,
レーザー光凝固術
,
光線力学的療法
,
フルオレセイン蛍光眼底造影
,
インドシアニングリーン蛍光眼底造影
,
光干渉断層計
Keyword:
中心性漿液性脈絡網膜症
,
レーザー光凝固術
,
光線力学的療法
,
フルオレセイン蛍光眼底造影
,
インドシアニングリーン蛍光眼底造影
,
光干渉断層計
pp.1235-1241
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000168
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中心性漿液性脈絡網膜症(central serouschorioretinopathy:CSC)は,黄斑部に境界鮮明な円形もしくは楕円形の漿液性網膜剥離を呈する疾患である。病態は完全には解明されていないが,脈絡膜の血流うっ滞に伴う網膜色素上皮(RPE)障害,つまり外血液網膜柵の破綻が起こり,その結果,網膜下腔に漿液が漏出して漿液性網膜剥離が形成されると考えられている。片眼性であることが多く,視力低下,小視症,変視症,中心暗点などの症状を伴うことが多い。自然寛解しやすく,視力予後良好な疾患とされているが,慢性化した場合には黄斑変性をきたし視力が低下する。また,漿液性網膜剥離が吸収されて視力が良好に維持されても変視症などの症状を残すことが多い。長期経過でRPE 下の脈絡膜新生血管(Type 1 neovascularization)が発生することがある1)。
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