Pachychoroid neovasculopathy

［pachy］は［thick］という意味の接頭語であり，pachychoroidは肥厚した脈絡膜という意味になる。Pachychoroidは脈絡膜血流のうっ滞によって形成されると考えられている1）2）。Pachychoroidを有する代表的な疾患は中心性漿液性脈絡網膜症（central serous chorioretinopathy：CSC）であるが3），FreundらのグループはCSC症例が長期経過でType 1（網膜色素上皮下）脈絡膜新生血管を発症し，ポリープ病巣をきたしやすいことを報告した4）5）。また，2013年にCSCと同様に色素上皮異常がみられるが網膜下液を伴わない症例をpachychoroid pigment epitheliopathy（PPE）と命名した6）。さらに，2015年には肥厚した脈絡膜や拡張した脈絡膜血管の上に起こるType 1脈絡膜新生血管症をpachychoroid neovasculopathy（PNV）と命名した7）。PNVはドルーゼンなどの加齢黄斑変性（age-related macular degeneration：AMD）に特徴的な所見を有さず，最終的にはポリープ状脈絡膜血管症（polypoidal choroidal vasculopathy：PCV）に移行するとしている7）。PPE，CSC，PNV，PCVは同一の疾患スペクトラム上にあると考えられており，これらの疾患はpachychoroid関連疾患と呼ばれている。