綜説
未熟児網膜症の最新の治療「光凝固と抗VEGF剤について」
近藤 寛之
1
1産業医科大学眼科学教室
キーワード:
未熟児網膜症
,
レーザー光凝固
,
抗VEGF剤
,
ETROPスタディ
,
APROP
,
モノセラピー
Keyword:
未熟児網膜症
,
レーザー光凝固
,
抗VEGF剤
,
ETROPスタディ
,
APROP
,
モノセラピー
pp.705-711
発行日 2018年7月5日
Published Date 2018/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000718
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未熟児網膜症は低出生体重児に発症する眼底疾患であり,網膜剥離を発症して視力の発達を阻害し失明に至る疾患である。日本では1968年に永田ら1)が未熟児網膜症に対する光凝固治療の有用性を示した。海外では1984年に未熟児網膜症の進行期分類が国際分類(International Classification of Retinopathy of Prematurity:ICROP)として定められ,活動期の病期(stage 1~5),血管領域の範囲(zoneⅠ~Ⅲ),活動性の有無(plus disease,後極血管の拡張と蛇行が2象限以上みられる病態)によって網膜血管形成の未熟度(重症度)や活動性を反映した評価が行われるようになった2)。1980年代以降は米国では無作為臨床試験が行われ,網膜冷凍凝固治療の有用性が示された3)。さらに米国では冷凍凝固の代わりにレーザー光凝固が用いられ,Early Treatment for Retinopathy of Prematurity(ETROP)スタディによって,現在の治療基準が確立している4)。
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