特集 Pachychoroid 関連疾患
4 Pachychoroid neovasculopathyの治療
松本 英孝
1
1群馬大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学講座眼科学
キーワード:
pachychoroid neovasculopathy
,
anti-VEGF therapy
,
photodynamic therapy
Keyword:
pachychoroid neovasculopathy
,
anti-VEGF therapy
,
photodynamic therapy
pp.135-140
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002495
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Pachychoroid neovasculopathy(PNV)は,2015年の論文でFreundらのグループによって提唱された疾患概念である1)。この論文では,拡張した脈絡膜外層血管を伴う脈絡膜肥厚(pachychoroid)の上にType 1(網膜色素上皮下)新生血管を合併した3症例が報告された。1例は経過でポリープ状病巣がはっきりしてくる症例で,あとの2例は初診時からポリープ状病巣がみられる症例であった。そして,PNVは最終的にポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV)に進行する可能性があると報告した。この論文をきっかけに,治療成績を含めPNVに対するさまざまな研究が行われてきた。当初はポリープ状病巣を伴う症例もPNVとして研究が行われていたが,現在ではポリープ状病巣を伴う症例はPCVとして区別して扱うことが多い2)3)。また,同グループは中心性漿液性脈絡網膜症(central serous chorioretinopathy:CSC)が長期経過でType 1新生血管を合併し,ポリープ状病巣をきたしやすいことを報告している4)5)。これらのことから,CSC,PNV,PCVは同一疾患スペクトラム上にあると考えられ,pachychoroid関連疾患と呼ばれている。これは,PNVの治療を考えるうえで留意すべき事柄である。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.