原著論文
Pachychoroid neovasculopathyに対するhalf-time光線力学療法
濵田 瑞綺
1
,
コンソルボ上田 朋子
1
,
追分 俊彦
1
,
林 篤志
1
1富山大学大学院医学薬学研究部眼科学講座
キーワード:
pachychoroid neovasculopathy
,
光線力学療法
,
網膜下液
,
脈絡膜厚
,
脈絡膜新生血管面積
Keyword:
pachychoroid neovasculopathy
,
光線力学療法
,
網膜下液
,
脈絡膜厚
,
脈絡膜新生血管面積
pp.511-517
発行日 2020年5月5日
Published Date 2020/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001663
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目的
光線力学療法(PDT)を施行されたpachychoroid neovasculopathy(PNV)症例の臨床経過を検討する。
対象
2013年1月から2018年8月までの間に,富山大学附属病院眼科でhalf-time PDTを施行され,1年以上経過観察することが可能であったPNV症例9例9眼
結果
9眼中8眼はhalf-time PDT単独治療または併用療法後に網膜下液(subretinal fruid)が消退した。9眼中1眼は,初回のhalf-time PDT単独治療後も網膜下液が残存し,3か月後に2回目のhalf-time PDTを施行後,網膜下液は消退した。その後45か月間再発は認めていない。平均logMAR視力は治療後1年で有意に改善した(P=0.036)。平均脈絡膜厚は,治療後1か月,3か月,1年のすべての時点で有意に減少した(P=0.0018,P=0.0003,P=0.0005)。9眼中6眼の平均脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)面積は,治療前に比べて治療後1年で有意に増大した(P=0.03)。
結論
PNV症例に対するhalf-time PDT単独治療,または抗VEGF薬との併用療法後,1年間で網膜下液が再発した症例はなく,half-time PDTはPNVに対して有効な治療方法であると考えられた。
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