特集 疾患・治療概念の最近の変化
【治療】
加齢黄斑変性とその治療
喜多 岳志
1
,
石橋 達朗
1
1九州大学大学院医学研究院眼科学分野
キーワード:
加齢黄斑変性
,
脈絡膜新生血管
,
光凝固療法
,
光線力学的療法
Keyword:
加齢黄斑変性
,
脈絡膜新生血管
,
光凝固療法
,
光線力学的療法
pp.692-693
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101200
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は,眼底の中心に位置する黄斑部に生じる,加齢変化を背景として発症する多段階的かつ多型的な症候群で,先進国における50歳代以上の失明原因の第1位であり,非常に重要な疾患と位置づけられている.わが国においても,生活様式の欧米化,人口の高齢化などを背景に近年その発症頻度が増加傾向にある.
AMDは萎縮型および滲出型の2つの病型に大別される.萎縮型は,網膜色素上皮細胞や脈絡膜網細血管板の萎縮をきたすが,視力予後が比較的良好であるのに対し,滲出型は黄斑部の脈絡膜から網膜色素上皮下あるいは網膜下に新生血管が進展し,出血や滲出性変化を生じ,最終的には黄斑部に瘢痕組織を形成する.滲出型AMDでは視力予後不良な症例が数多く存在し,また両眼性の視力障害の症例も稀ではなく,臨床的に重要な疾患となっている.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.