臨床報告
En face OCTを用いた神経線維腫症1型の脈絡膜所見
渡辺 一郎
1,2
,
丸子 一朗
1
,
長谷川 泰司
1
,
古泉 英貴
1,3
,
飯田 知弘
1
1東京女子医科大学眼科学教室
2国際医療福祉大学熱海病院眼科
3琉球大学眼科学教室
キーワード:
神経線維腫症1型
,
en face OCT
,
脈絡膜結節
,
neurofibromatosis type 1
,
choroidal nodule
Keyword:
神経線維腫症1型
,
en face OCT
,
脈絡膜結節
,
neurofibromatosis type 1
,
choroidal nodule
pp.547-552
発行日 2018年5月5日
Published Date 2018/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000665
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
目的
神経線維腫症1型(NF1)では虹彩結節だけでなく走査型レーザー検眼鏡(SLO)の赤外光(IR)による眼底観察で高輝度の斑状病変がみられ,同部位の光干渉断層計(OCT)所見から脈絡膜深層の高反射組織の存在が示されている。今回我々はswept source(SS)-OCTのen face画像を用いてNF1の脈絡膜所見を観察した。
対象
全身的にNF1と診断された6例12眼(男性1例,女性5例,平均44歳)。全例において虹彩結節の有無について確認のうえ,散瞳後HRA(Heidelberg社)のIRモード(30°)およびSS-OCT(DRI OCT,トプコン社)の黄斑部3D scan(12×9mm)モードで撮影した。取得したOCT画像から網膜色素上皮レベルで平坦化したen face画像を再構築し,IR画像と比較した。
結果
虹彩結節は12眼中8眼(67%)で確認され,IR画像では12眼中11眼(92%)で眼底後極部に高輝度斑状病巣が観察できた。En face画像ではIR画像で異常がみられなかった1眼を除いた11眼(92%)において脈絡膜中層~深層にかけてIR画像の高輝度部位すべてに一致した斑状の高反射が確認された。
結論
En face画像はSLOのIR画像と同じく高頻度に眼底後極部の斑状病変が観察可能であった。またその高反射の深さ情報から,NF1の眼底病変が脈絡膜中層から深層に局在していることが示された。NF1におけるen face OCT画像は病変の有無および局在の同定に有用である。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.