臨床報告
トリアムシノロンアセトニド後部テノン嚢下投与により緑内障手術に至った糖尿病黄斑浮腫の2例
前田 裕宇樹
1
,
池田 誠宏
1
,
岩見 久司
1
,
池田 尚弘
1
,
三村 治
1
,
五味 文
1
1兵庫医科大学眼科学講座
キーワード:
糖尿病黄斑浮腫
,
トリアムシノロンアセトニドテノン嚢下投与
,
眼圧
,
線維柱帯切除術
,
線維柱帯切開術
,
diabetic macular edema
,
sub-Tenon triamcinolone acetonide injection
,
intraocular pressure
,
trabeculectomy
,
trabeculotomy
Keyword:
糖尿病黄斑浮腫
,
トリアムシノロンアセトニドテノン嚢下投与
,
眼圧
,
線維柱帯切除術
,
線維柱帯切開術
,
diabetic macular edema
,
sub-Tenon triamcinolone acetonide injection
,
intraocular pressure
,
trabeculectomy
,
trabeculotomy
pp.539-546
発行日 2018年5月5日
Published Date 2018/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000664
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目的
糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema:DME)に対するトリアムシノロンアセトニド後部テノン嚢下投与(sub-Tenon triamcinolone acetonide injection:STTA)後に眼圧が上昇し,緑内障手術を要した2例を報告する。
症例
症例1は57歳,男性。右眼のDMEに対し1回の後部STTAを施行した3か月後,右眼圧が52mmHgに上昇した。薬物療法を行うも十分な眼圧下降を得られなかったため,投与後21か月で右眼に線維柱帯切除術を施行した。症例2は59歳,男性。右眼の再発を繰り返すDMEに対し,計6回後部STTAを施行した。初回の後部STTA後から15~37mmHgの眼圧推移を認めていたが薬物療法でコントロール可能であった。6回目の後部STTA後,右眼圧が42mmHgと上昇し,薬物療法では眼圧コントロールが困難となったため最終投与から半年後に右線維柱帯切開術を施行した。
結論
後部STTAはその施行回数,投与後の期間にかかわらず,著明な眼圧上昇をきたすことがある。後部STTA施行後は長期にわたる継続的な眼圧の経過観察が必要である。
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