症例
石灰化を有するspoke-wheel patternを呈した脾SANTの1例
東田 歩
1
,
酒井 英郎
,
西岡 瑛子
,
衣笠 章一
,
常見 幸三
,
藤本 昌代
,
田代 敬
,
小川 恭弘
1兵庫県立加古川医療センター 放射線科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
CD8抗原
,
MRI
,
超音波診断
,
石灰沈着症
,
脾臓疾患
,
脾臓摘出術
,
腹腔鏡法
,
免疫組織化学
,
CD34抗原
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Ferumoxides
,
腹部CT
,
PET-CT検査
Keyword:
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
C-Reactive Protein
,
Calcinosis
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laparoscopy
,
Splenic Diseases
,
Splenectomy
,
Ultrasonography
,
Antigens, CD8
,
Antigens, CD34
,
Fluorodeoxyglucose F18
pp.575-581
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017248432
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症例は40歳代男性で、高血圧・高尿酸血症に対して内服加療中であった。腹痛を主訴に受診し、急性膵炎の診断で入院加療した。CTにて約10cm大の脾腫瘤を指摘された。膵炎症状軽快後もCRP高値が3ヵ月間持続した。膵炎軽快3ヵ月後の血液データでは、腫瘍マーカーの上昇はなく、貧血とCRP高値のみを認めた。膵炎発症後2ヵ月の腹部単純CTでは脾腫瘤に明らかな増大傾向はなく、内部性状にも著変は認めなかった。腹部超音波では脾腫瘤は内部不均一な信号で、石灰化に一致して音響陰影を認めた。画像から脾腫瘤は強く悪性を疑うものではなく、Sclerosing angiomatoid nodular transformation(SANT)や炎症性偽腫瘍などを最も疑った。CRP持続高値が続くため、腹腔鏡下脾摘出術を施行した。CRP高値は術後より低下傾向を認め、2ヵ月後にはほぼ正常値となった。肉眼所見と組織所見からSANTと診断した。
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