投稿論文 症例
小児の手背に生じたBednar腫瘍の1例
平山 貴浩
1
,
藤木 政英
,
中澤 温子
,
磯崎 祐希
,
藤田 直子
,
本間 勉
,
渡辺 あずさ
,
渡邊 彰二
1埼玉県立小児医療センター 形成外科
キーワード:
遺伝子再配列
,
MRI
,
超音波診断
,
生検
,
大腿筋膜
,
皮膚疾患-手部
,
免疫組織化学
,
CD34抗原
,
FISH法
,
c-sis癌原遺伝子タンパク質
,
中手
,
遊離皮弁
,
Bednar腫瘍
Keyword:
Fascia Lata
,
In Situ Hybridization, Fluorescence
,
Dermatofibrosarcoma
,
Metacarpus
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Immunohistochemistry
,
Hand Dermatoses
,
Gene Rearrangement
,
Ultrasonography
,
Biopsy
,
Antigens, CD34
,
Free Tissue Flaps
,
Proto-Oncogene Proteins c-sis
pp.1442-1448
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021050818
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5歳男児。3歳時に兄弟に左手背を咬まれ、同部の腫瘤を自覚した。腫瘤は徐々に増大し、5歳時に疼痛を自覚するようになり、近医でガングリオンを疑われ、当科に紹介された。左手背に20×20mm大の暗青色を呈する皮下腫瘤を認めた。超音波検査で腫瘤は低エコー域を示し、プローブの圧排で容易に変形した。MRIでは境界不明瞭であり、T2強調像で高信号を呈した。画像評価では診断に至らなかったため全身麻酔下に切除生検を行い、Bednar腫瘍と診断した。全身検索で肺・脳に転移がないことと左腋窩リンパ節の腫脹がないことを確認後、全身麻酔下に追加広範切除術を行った。その際、深部方向の切除縁はin situ preparation法で決定することにより、重要構造物の不必要な犠牲を避けつつ安全な切除縁を確保でき、指伸筋腱を温存することができた。術後6ヵ月の現在まで再発や転移は認めていない。
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