症例
皮下埋没型静脈ポート留置時に生じたガイドワイヤートラブルの1例
山中 森晶
1
,
岩本 誠司
,
尾形 竜郎
,
松本 隆裕
,
平田 有紀奈
,
西尾 進
,
高尾 正一郎
,
原田 雅史
1徳島大学病院 放射線診断科
キーワード:
X線透視検査
,
インターベンショナルラジオグラフィー
,
中心静脈カテーテル法
,
留置カテーテル
,
肝臓腫瘍
,
心臓疾患
,
膵臓腫瘍
,
Chiari網
,
ワイヤー
Keyword:
Catheters, Indwelling
,
Catheterization, Central Venous
,
Fluoroscopy
,
Heart Diseases
,
Liver Neoplasms
,
Pancreatic Neoplasms
,
Radiography, Interventional
pp.583-587
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017248433
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症例は70歳代男性で、持続する39℃台の発熱、嘔気、嘔吐で受診し、坐薬など処方され経過観察した。40℃を超える発熱や黄疸、食欲低下などを認めた。腹部超音波検査、腹部造影CT、ERCP、MRCPなどを施行し、膵頭部癌・肝転移を疑った。通常のCVポート挿入の手順に沿い、超音波ガイド下で右内頸静脈を穿刺、付属のガイドワイヤーを挿入した。ガイドワイヤーの先端を下大静脈内に留置しようと試みるも困難で、上大静脈下部から右房近くに先端を留置し手技を継続した。シースイントロデューサーを挿入し、ダイレーターおよびガイドワイヤーを抜去しようとしたところガイドワイヤーに強い抵抗があり、抜去困難であった。ガイドワイヤーをやや強く引いた際には心拍動を感知した。超音波検査で、ワイヤーの先端は右房内にあることを確認したが、抜去困難の理由ははっきりしなかった。シースを利用してガイドワイヤーを抜去した。抜去後も症状なくバイタルサインにも異常はみられなかった。経過や画像所見、病理組織学的所見から生じたトラブルは、ガイドワイヤー先端がChiari networkにトラップされたものと判断した。
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