症例
鼠径部術後難治性リンパ瘻の漏出部位の診断に、術中のtransnodal lymphangiographyが有用であった1例
時信 麻美
1
,
細田 幸司
,
清水 和人
,
宮崎 延裕
,
手嶋 英樹
,
入江 博之
1近森会近森病院 放射線科
キーワード:
エチヨード化油
,
インターベンショナルラジオグラフィー
,
術後合併症
,
術中期
,
超音波診断
,
穿刺
,
造影剤
,
鼠径部
,
リンパ管造影
,
リンパ系疾患
,
大動脈瘤-腹部
,
ヨウ素化合物
,
ステントグラフト内挿術
Keyword:
Contrast Media
,
Groin
,
Intraoperative Period
,
Lymphatic Diseases
,
Lymphography
,
Postoperative Complications
,
Punctures
,
Ultrasonography
,
Radiography, Interventional
,
Iodine Compounds
,
Aortic Aneurysm, Abdominal
,
Ethiodized Oil
pp.1271-1275
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017061324
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80歳代男。腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術後に右鼠径部から200ml/日を超える多量のリンパ瘻を認めた。リンパ瘻閉鎖術および保存的加療後もリンパ瘻が持続したため、漏出部位の診断目的にヨード化ケシ油脂肪酸エステル(lipiodol)を用いてリンパ管造影を行い、引き続きリンパ瘻再閉鎖術を行う予定とした。超音波にて右鼠径部の創近傍にリンパ節3個を認め、transnodal lymphangiographyによるリンパ管造影により3ヶ所のリンパ節を穿刺したところ、1ヶ所からlipiodolの漏出を認め、このリンパ節を縫合結紮して創を縫合閉鎖した。他の2ヶ所に漏出像は認めず、術直後より排液量は大幅に減少した。本症例では標的リンパ節が10mm前後で穿刺は比較的容易であり、漏出部位が穿刺リンパ節に近接していたことで手技時間が大幅に短縮され、被曝量低減も可能であった。
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