特集 有害事象の評価と対策
食道癌放射線治療による症候性心疾患
荻野 伊知朗
1
,
渡部 成宣
,
岩橋 徳明
,
小菅 雅美
,
坂巻 顕太郎
,
國崎 主税
,
木村 一雄
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 放射線科
キーワード:
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
腫瘍多剤併用療法
,
食道腫瘍
,
心臓疾患
,
心房細動
,
心膜液貯留
,
扁平上皮癌
,
放射線障害
,
治療用放射線量
,
放射線療法
,
後向き研究
,
比例ハザードモデル
,
Kaplan-Meier法
,
放射線化学療法
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Atrial Fibrillation
,
Cisplatin
,
Esophageal Neoplasms
,
Fluorouracil
,
Heart Diseases
,
Pericardial Effusion
,
Radiotherapy Dosage
,
Retrospective Studies
,
Radiotherapy
,
Radiation Injuries
,
Proportional Hazards Models
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Chemoradiotherapy
pp.1105-1113
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017017038
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食道癌放射線治療による症候性心疾患について検討した。食道癌に対して化学放射線治療または放射線単独治療をおこない、4年以上外来で経過観察した58例を対象とし、症候性心疾患は11例であった。41例は大量喫煙者で放射線治療前のBrinkman指数は48から2220であった。12例は放射線治療前に心疾患の既往があり、7例が不整脈、5例が冠動脈疾患であった。22例は、放射線治療前または開始時にほかの癌疾患が診断された。58例における心臓容量の中央値は712.2cm3、腫瘍中心における総線量の中央値は60Gyであった。心症状は放射線治療後7~70ヵ月に発現し、5年症候性心疾患発現率は13.8%であった。症候性心疾患の発現率に影響する因子を単変量解析し、V45、V50、V55の連続変数のみが、症候性心疾患の発現率に有意な影響を及ぼした。多変量解析では、V45、V50、V55のいずれも性別に比較して、症候性心疾患の発現率に有意な影響を及ぼした。V45、V50、V55の連続変数で、最も有意な容量%は45%、20%、15%で、最も有意で低い容量%は15%、10%、5%であった。
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